2018年07月26日

『人魚の眠る家』

久しぶりに東野圭吾ワールドを楽しみました。
『人魚の眠る家』(2018)幻冬舎文庫


さすが東野圭吾氏、ストーリーも面白いのですが、
持ち前の理系の知識がふんだんに取り入れられた骨太のテーマが含まれています。
同書には、人が命を絶えると判断されるのは、いつか?という問いがある。
脳死か、心臓が止まった時か?

そしてIT技術の進歩で、脳が機能していなくても、
身体を動かすことができるという。
この技術が小説の中だけなのか、現実にあるのかはわかりませんが、
科学技術の進歩により、人の死の区切りが異なってくる可能性がある。
生命倫理を問うている小説です。

なにせ、使用済自動車も、廃車の定義が人により国により異なる。
よって日本で「廃車」とされた車が、他国で息を吹き返す。

製造されたブツなら、それはリユースで歓迎される。
人の命はいかに?

繰り返しますが、ストーリーも面白いので、
さらっと読むにはオススメ。
難しく真面目に考えると大変なことになるので、さらっとどうぞ。

11月公開で映画化もされているようです。
http://ningyo-movie.jp/index.html
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月16日

『女の機嫌の直し方』その5 多様性が必要

その1
http://bouchukan.seesaa.net/article/460462261.html

その2
http://bouchukan.seesaa.net/article/460471411.html

その3
http://bouchukan.seesaa.net/article/460527414.html

その4
http://bouchukan.seesaa.net/article/460527587.html

黒川氏曰く
対話には、
女性の好むプロセス指向共感型と
男性の好むゴール指向問題解決型の
二種類がある。

人工知能に搭載する時、別の対話エンジンとして搭載することになる。

かつ、両者の対話をシミュレートすると、
二体は情報共有に失敗して、対話は破綻する。
よって、生身の夫婦の会話は成立しにくい、とのこと。(pp.35-37)

なるほど。

ということを読んだ後の、先日のとある会合では、
男性同士の会話が成立しなかった。
所謂「老害」という別の知能が加わったのだ。
男性、女性と二分するのみでは、人口知能の分類は不足のようだ。

続く・・・
posted by H.A at 17:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月15日

『贖罪』

わざわざスマホで予約して、図書館で借りた小説は、
一度読んだものだった・・・
http://bouchukan.seesaa.net/article/370250534.html

『贖罪』 (2012)湊かなえ、双葉社


一度読んていることは覚えているけれど、
内容はすっかり忘れているので、楽しめた。

キョンキョン主役でWOWWOWでドラマ化されていたようで、
アマゾンプライムで観ることができるので、
時間を作ってみてみたい。
posted by H.A at 23:41| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『女の機嫌の直し方』その4 共感してね

その1
http://bouchukan.seesaa.net/article/460462261.html

その2
http://bouchukan.seesaa.net/article/460471411.html

その3
http://bouchukan.seesaa.net/article/460527414.html


黒川氏の主張は納得する面が多いのだが、
男女差ではなく、人による、という点もある。

例えば、女性は時系列に経緯を話すという点。
結論が後回しになるということである。
ただ私の経験上、これは、男性にも多い。
長々話して、たいしたことではない、ということはしばしばある。
(イライラする)

結論を先に話して、その会話を効率的に進める、ということができるか否かは、
訓練や、相手が何を聞きたいかを忖度して、配慮することが
できるか否かの違いであって、男女差ではないと思うのだ。
もちろん、長々話す女性もいる。

ただ女性は、時系列に経緯を追うことで、
そこに潜む真実や心理をあぶり出し、
自己で解決する という思考回路を持つ、ということを黒川氏は指摘されたようだ。
(pp.24−25)

よって、女性は相談事をしつつ、自己解決しているのだ。
よって、男子の皆様、
女子は自己解決できるので、相談したとしても、問題解決型返答は求めていない。

では相談の意図は何か!
これは私の自論だが、
相談することで、男子と良いコミュニケーションをとりたいと思っている。

そして黒川氏は、女性は共感を求めているとする。
例えば、こけてないのに、こけそうになった話をする。
そして「そうだよね、あそこ危ないよね」とか「大丈夫?」とか言って欲しい。
なぜか。

それは
その3
http://bouchukan.seesaa.net/article/460527414.html
で述べたが、女性は新たな命を産むため不快な感情のセンサーは、滅茶苦茶高い。

そしてこの不快な感情を解消するには、話して共感してもらう、という
一連の手続きが必要となるらしい。

(黒川氏の主張を、ずいぶん私なりの言い方で説明しています)

共感されれば、守ってもらえているという安心感を得、
自分の感情を客観視できる、とのこと。(p.33)

男性は、狩りをしないといけないため、そんな不快な感情を引きずっていたのでは
狩りができない。
よって、そうした不快な感情は、すぐ忘れる。(pp.33−34)


らしいよ。

ということで、私がブログに胃腸が悪い悪いと、やたら書くのは、
以上のような脳の動きがあるからだ。
ちっ!またか!とお思いでしょうが、人間の生態の理屈に合った
イタイ、ワルイ なので、ご容赦くださいませ。

続く・・・
posted by H.A at 12:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『女の機嫌の直し方』その3 男女脳の根本的な相違

その1
http://bouchukan.seesaa.net/article/460462261.html

その2
http://bouchukan.seesaa.net/article/460471411.html

さて、いよいよ男女差について書きたい。

黒川氏いわく
人工知能研究の立場からいえば、男女の脳は統一できるモデルではない、とのこと。


男性は、狩りをし、家族を危険から守るために、
近くより遠くに意識が働く。

女性は、子どもを産まなければならないので、
我が身を守ることがまずは大事。
産んだ後は、子どもを育て守ることが大事。
よって、遠くよりも目の前のことに意識が働く。


といった絶対的な差異がある。
この差異により、考え方や態度、行動が異なってくる。

しばしばいわれるのは、
男性は問題解決のために対話を紡ぐ。
女性は共感を求めて話をする。


なぜか。
男は・・・
 これは、長らく狩りをしてきた性だからか、
 向こうから飛んできたものに即座に照準を合わせるために、
 全体を俯瞰して、モノの位置関係と距離感を正確に把握することを
 してきたからではないか。
 よって、大事なものとか目の前のもののみに、
 配慮しているわけにはいかない。(p.27−28)

女は・・・
 怖い、ひどい、つらいなどのストレス信号が、
 男性の何十倍も強く働き、何百倍も強く残る。
 なぜならば、哺乳類のメスなので、
 自己保全が第一。
 自分が健康でなければ、産めないし授乳もできないから。
 そして、そのストレスを何度も思い出して、
 もしもの時に、自分や子どもたちを守るために活用する。
 そして、そのストレスは、共感してもらうと、余剰な信号が沈静化するようにできている。(p.33-34)

なる。
超納得。

続く・・・
posted by H.A at 06:23| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月13日

駅の近くに図書館

少し体調も復活したようで、
喪失していた読書欲が、むくむくと復活しつつある。
我ながら嬉しい。

仕事がらみの本も気になるが、
駅の本屋さんを眺めるに、文庫の小説も気になるのがチラホラある。

今の住まいの良い所の一つに図書館が近いことが挙げられる。
それも駅の横にあるので、便利さも倍になる。

おまけに東京都の図書館貸し出しシステムの楽チンなことよ。

さっそく、電車内でスマホで読みたい本を3冊予約した。
加えてメルカリでも安価で購入した。
楽しい夏の夜長になりそうだ。

そうはいえ、夏の終わりには学会報告がある。
これを何とか形にしてしなければならない。
やらねばならない現実逃避からの読書欲だとすれば、
喜んでいるばかりではいられない。

あら、困ったな。
posted by H.A at 17:36| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

『女の機嫌の直し方』その2 AIと男女

その1
http://bouchukan.seesaa.net/article/460462261.html

著者の黒川伊保子さんは人工知能(AI)の研究者。
現在、猫も杓子もAI、AI。
私も歩けばAIにあたる、くらい、あっちこっちでAI議論の花が咲いている。

黒川さん曰く(pp.17−20ね)、
AI(Artifical Intelligence)すなわち人工知能は、
1950年代に第一次ブーム、
1980年代に第二次ブーム、
そして現在は2016年以降の第三次AIブーム真っ只中というわけである。

第一次ブームでは、想念のAIが研究の対象。
機械が知性を持つかについて、世界の知識人たちが議論したらしい。

第二次ブームの中核は、テクノロジーとしてのAI。
音声認識、画像認識、自然言語解析、ニューラルネットワークなど
人工知能の基礎技術が実現したらしい。
ちなみに、ニューラルネットワークとは、脳神経回路をモデル化した構造を持つ、
学習するコンピュータシステムらしい(言われても、よくわからんが)。
ディープラーニングと言われるものらしい。

第三次ブームの今は、単なるブームではない、そうだ。
ここから先、人工知能と共に人類は生きていく、そうだ。
まさに産業革命、人工知能シンドロームだと 黒川氏は述べる。


といった中で、黒川氏は1980年代半ばにロボット開発に着手された。
AIは人工知能であるから、まずは人類の知能研究が必要だ。
人類の脳の機能をモデル化するのに、
男女ではその機能が異なることに、気づかれたらしい。

男性脳のモデル化のみでは、AIとしては不完全なのだ。

ということより、黒川氏は男女脳の差異に気づき、
研究を進めておられるそうである。

よって、私がこの度、秀逸と勧める『女の機嫌の直し方』(2017)の書籍は
科学的分析に裏付けされているものなのである。

続く・・・
posted by H.A at 21:05| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『女の機嫌の直し方』その1

『女の機嫌の直し方』(2017)黒川 伊保子著 インターナショナル新書

この書籍は、昨今読んだ中で秀逸の一冊。
黒川伊保子さんは著名な方なので、ご存知の方も多いと思いますが、
人工知能(AI)の研究者。

脳科学やAIの知見に照らして「男性脳」と「女性脳」の違いを論じたのがこれ。
過去にも類似の本は書かれていますし、
他の著者による男女の違いの書籍はありますが、
これは、面白かった!

よって、何回かにわたって、気になる文言をメモっていきます。

同書は、突然怒り出す女性の扱いに困る男性向けに書かれていますが、
女性が読むにも最適。
自分の感情の要因や、友人女子の振る舞いや言動の意味が、
明らかになります。

かつ、比較対照して描かれる男性の生態が、
これまた笑えるくらい腑に落ちる。
そうだったのか!!!

ということで、次回より・・・
失礼しました。

IMG_7396.JPG
posted by H.A at 09:22| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月04日

小説「西郷どん!」

大河ドラマの原作 林真理子著 小説「西郷どん!」を
飛ばし読みした。

IMG_7179.JPG

日本の大変革期である幕末を舞台にした歴史小説は多く、
歴史に疎い私も、なんとなくの当時の感覚を得ることはできる。

当時の論点は
・統治者の交代
・国際化の是非
になるが、この組み合わせの相違が、戦いの基になっていることは、言うまでもない。

今と違って、国際化と言っても、さっぱり想像もできなかったであろう。
島国であるというのは、島国だけですごすには楽であるが、
海を渡った他国との交流は、今も難しい。
物理的にも、精神的にも。

そんなこんなで、当時の日本は、お江戸から遠くなはれた、
鹿児島、山口、高知の皆さんの努力により変革がなされた。
徳川家としては、遠くに追いやって、参勤交代で疲れさせて、などと考えたことが、
結局は裏目にでたわけだ。

小説の中で、西郷さんに誰かが放つセリフ
「いつの世でも勝者というのは、なんと傲慢なのでしょうか。
 なあ、西郷さん。
 勝者と敗者などどというものは、あっけなく入れ替わるものだと、
 あなたはよくご存じでしょう。」

現世において、勝者として君臨している、おそらく歴史を学んだであろう大人たちも、
年を取るごとに、平家物語から言われてきた、驕るもの久しからずの道理を、
忘れてしまうのだろうか。
テレビニュースに登場する方々に、問うてみたい。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月19日

小説「孤狼の血」

私の故郷 広島県は呉市が舞台の映画「孤狼の血」を鑑賞した後は、
原作の小説「孤狼の血」(2017)角川文庫 柚月裕子著を読書。


ウーーー、私は小説のほうが好きです。
映画を先に観たからだろうか・・・

映画では泣けなかったのだけど、
小説は読みながら総武線で泣きました。

どうぞ、映画と小説を比較してみてください!

IMG_7102.JPG

ところで、TBS日曜日9時からのドラマは、初夏より『この世界の片隅に』。
http://www.tbs.co.jp/konoseka_tbs/

これも、私の故郷、広島県は呉市を舞台にした漫画が原作で、
映画は泣きながら観ました
http://bouchukan.seesaa.net/article/444276758.html

すずの夫は松坂桃李さんもよいけれど、私がプロデューサーならば、











綾野剛さん。
漫画でも、一見とっつにくい感を醸し出しているのがすずの夫。
ならば、松坂桃李さんではまっすぐすぎると思う。
ちょっと、陰のある綾野剛さんがよいかなと。

よし、
来世は、自分の思い通りのドラマを作るTVのプロデューサーになります。

医者になったり、プロデューサーだったり、来世は忙しい。
現世はゆっくり休んで、エネルギーを蓄えておきたいと思います。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月08日

『夫の後始末』

『夫の後始末』(2017)曽野綾子著 講談社

母が父を自宅で看取ったその直後に、同書が販売された。
病院ではなく、自宅で看取ったというのは、
同居していない娘の私も想像できないくらい壮絶だったと思う。
よって、あまりに身近すぎて同書を読めなったが、ようやく手に取った。

アマゾンの紹介文を引用するに
「作家・曽野綾子が80代なかばにして直面した、90歳になる夫の在宅介護。
 工夫と試行錯誤を重ねながら、「介護とは」「看取りとは」そして
 「老いとは何か」を自問自答する日々が始まった。
 家族の介護をしている人も、これからするかもしれない人も、
 超高齢社会を迎えるすべての日本人に知ってほしい「夫婦の愛のかたち」がここにある。
 2017年2月の三浦氏逝去を越えて続いた、「週刊現代」大人気連載が待望の単行本化。」

人間とは愚かで可愛いもので、加齢しても、頭の中は20代のころだったりする。
少なくとも私は、ああそうか、とよく自分の年齢を再確認する。
しかし、最近はようやく「死」について考えるようになった。

数年前に、女子の先輩に
「何のために生きるか」と人生の目的を聞いたら、
「いつ死んでもいいと思って生きる」と答えが返ってきた。
http://bouchukan.seesaa.net/article/256976656.html

禅問答のようだが、最近は、この言葉をよく思い出し、
真意が心身にしみこんでいるような気がする。

悔いのない人生であるよう今を生きると同時に、
加齢による体の衰えをカバーできる準備を、
個人として自宅なり制度なりを整えておく必要がある。

死に様というのは、生き様であり、生きてきた全てがあらわになるのであろう。
少なくとも来世の自分に恥じるような「ざま」にはしたくない。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月23日

白いコーヒーカップ

JALラウンジで、毎日楽しみな日経新聞連載小説を読む。
挿絵はコーヒーカップ。
ラウンジで必ず読む雑誌クロワッサンの特集はお茶。
シンクロしています。

IMG_6738.JPG
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年03月13日

男の愚かさと女の浅はかさ

先週の金曜日の夜に香港から帰国し、
土曜日は、がんばって少し仕事をしに立教大学に行った後、
オリ(澱・滓) のように体にはりついた疲労が、徐々に心身に表れ、
泥のように眠っておりました。
日曜日夜まで。

何もする気が起きず、その元気も体力も無い中、
どうしても気になるのは、日経新聞朝刊の連載小説「愉楽にて」。
(これをデジタルで読めるようにしていただきたいものです。)

家族には、新聞は捨てずに私の部屋に置いておいてね、と頼んでいたので、
パソコンの上に日経新聞が二週間分積み上げられております。

ストーリーも面白いのですが、林真理子氏の表現が上手い。
(すみません、上から目線で)
男の愚かさと女の浅はかさを、巧みな語彙使いで、シュールに表現しており、
「いやこりゃまいった!」と、おでこをパチンと叩きたくなるような納得感を
味わえるのです。

IMG_6690.JPG

そして何より挿絵が、色っぽい。

というので、少し元気になったので、まとめて読みました。
posted by H.A at 06:39| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月18日

『朗読者』

『朗読者』(2003) 新潮文庫
ベルンハルト シュリンク (著),‎ Bernhard Schlink (原著),‎ 松永 美穂 (翻訳)

映画「愛を読む人」の原作。
その1
http://bouchukan.seesaa.net/article/456894105.html
その2
http://bouchukan.seesaa.net/article/456895038.html

映画を鑑賞後、読んだので入り込みやすい。
映画より、本のほうが、相互に思いあっていたことがよくわかる。
映画では、男子の成人後が、ちょっといまいちだったな。

ベルンハルト シュリンクさんは、大学の法学部の先生、とのこと。
ベルンハルト先生は、
ナチスドイツが行ったことが、
戦後に
法律という制度と、
軍に従うしか生きるすべがなかった人間と、
倫理観、道徳観の矛盾を描きたかったのだと思う。

こうした年上の女性と若い男子との恋物語は、
日本では女性作家によって書かれる。
しかし、ドイツでは男性が21歳差の恋を描いたというところに、
大きな拍手を送りたい!
posted by H.A at 11:11| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月13日

『技術の街道をゆく』

読書仲間の同僚が貸してくれた書籍。
畑村 洋太郎著『技術の街道をゆく』(2018)岩波新書

現地、現物、現人の三現を哲学として、
技術系の著者が現場を訪ね歩いた記録のような本。

第一章の鉄は、「鉄は国家なり」を謳った日本が今後どうするかを
問うている。

また第二章の「たたら」という言葉は、以前勤務していたマツダを彷彿させた。
なぜならば、自動車メーカーのマツダは、広島に根付いたたたら技術に由来すると、
当時、私は先輩より学んだからだ。

http://www2.mazda.com/ja/about/dealer/recruit/about/stance.html
「近代まで、国内の鉄の半分以上が広島を中心とする地方で生産されていました。
 「たたら製鉄」と呼ばれた当時の最先端技術を育てた職人たちのこだわりが、
 広島に“モノづくり文化”を根付かせたのです。
 この鉄を利用し、「安芸十り(あきてんり)」と呼ばれるヤスリ・ハリ等の手工業が栄え、
 やがて自動車産業を生みました。
 蓄積された“鉄”技術が、“モノづくり”の基盤となったのです。」

第五章の、技術の系譜をたどるでは、
2004年に起きた六本木ヒルズの回転ドアの死亡事件に触れられていた。
回転ドアの技術はヨーロッパから入ってきたものらしいが、
重くてはよくない、ということっはヨーロッパでは常識だったらしい。
しかし、日本に入ってきたところで、日本の建物にあうように
アルミからステンレスに素材が変わり(重くなり)、
かつ製造元の合弁会社が経営破綻したために、技術者が離散した。
という条件が負に重なり、悲しい結果をもたらすことになったらしい。

と、いろいろ興味深く読み進めることができた。

畑村先生がご自身のご意見を、ご自分の言葉でオリジナルに述べられている。
そうした思考は、実は経営学ではすでに理論化されているものが多い。
すなわち、理論は普遍であり、どの角度から見ても、本質は同じということであろう。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

世界の中の日本を考える その4『神と革命』

同僚(読書仲間)のお父様の著書『神と革命』(2017)薩摩書房。
ロシア研究の権威である下斗米伸夫先生の著書。

1973年の修士論文を骨子にされた章もあり、
研究者として、長期にわたり研究対象を地道に考察していらしたことが伺える。
文章も重厚でありながらリズミカルで、こうした叙述ができるようになりたいものだ。

と、非常に興味深い著書でありながら、私のロシア、ソ連はもちろん、
世界史の知識や、それらをとりまく知見が乏しいがために、
読みこなすことができない・・・申し訳ありません。

ご子息曰く、ロシア革命に宗教がいかに関与したかの研究とのこと。

この宗教というのが、日本人は理解しづらい(と私は常々考えている)。
現在NHK教育テレビで「欲望の資本主義2018」が、
5回か6回かにわたって放送されている。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2225527/index.html

(この番組が滅茶苦茶面白い。そこらへんのドラマより面白い。)
いかに資本主義が生まれ発達し、どのようなメリットとリスクを生んでいるのかを
まとめたドキュメンタリー番組なのだが、
西洋では、お金とかビジネスとか利子などの考え方に、宗教が大きく絡んだことが描かれている。

翻って
人が亡くなればお経をあげ、
クリスマスにはお祝いをし、
お正月にはニ礼二拍手一礼とお参りをする日本人には、
他国の宗教の重さがわからない。

だからこそ、下斗米先生の書かれた『神と革命』、
読みたいと手に取ったのですが、
力不足で残念・・・
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月19日

『歴史学ってなんだ?』

『歴史学ってなんだ』(2004)PHP研究所
小田中直樹著

面白いですよと、経済史専門の同僚が貸してくれました。

歴史学、よく知らなかったのですが、読んでみるに
文書としてのこっているものを根拠に構築された学問のようです。
根拠がある史実を「真実性」というそうです。(p.128)

だとすると、昨今の国会の発言の「記録に残っていない」というのが事実であるならば、
将来から見た過去である現在の「真実」をゆがめることになる由々しき事態、ということです。
果たして「真実性」は「真実」なのか?という疑問がわいてきます。

また、「構造主義」という思想があるそうで、これまた面白い。
小田中先生は、私の大好きな内田 樹先生の説明を引用されていますが、
要は、我々は何がしかの集団に属しており、その所属する集団により、
見えるものが決まってくる という意のようです。(p.68)

そもそも物事は球体ですからね、見る場所によって角度によって見えるものが違う。
見えないところもある。
それを承知して、発言しないと、たんなる偏った考えの列挙になる。
ということですね。

時空を超えて歴史を科学する「歴史学」は、
根拠を追求しつつ、その根拠の正当性も担保しなければならない、という
なかなか奥深い、怖い学問であると感じた次第。

だから、面白いのでしょう。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月05日

『東大から刑務所へ』

『東大から刑務所へ』(2017)幻冬舎新書
井川意高・堀江貴文 対談

興味があって読んでみた。
井川氏は会社法違反(特別背任)、堀江氏は証券取引法違反で、逮捕。
二人の生い立ちや、学び、仕事、そして罪、刑務所暮らし、出所後についての
対談が描かれている。
生まれながらに二人の地頭の良かったことが、よくわかる。

この対談本を出す、というのはきっと出版社でも議論があったと思う。
両者とも、実刑はtoo muchだったという思いをもっている。

堀江氏は、判決の是非は置いておいて、
自分自身に驕りがあったであろうと反省の辞を述べている。
堀江氏の好感度があがる内容だと私は解釈した。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月04日

『これからの世界をつくる仲間たちへ』

社会システムや概念のアップデートについて参考にするために、
以下の書籍を読書。
落合陽一氏著『これからの世界をつくる仲間たちへ』小学館

気になった点をメモメモ・・・
◇我々の社会
・インターネットはすでに自由な場所ではない
・米国資本主義社会によって統一された
 イデオロギーの中で育ったプラットフォームの上で行動を起こすしかない(p.8)

◇コンピュータが資本主義を変えた
・これまでの資本家は、土地や工場や原材料や製品といった
 物理的なリソースを囲い込むことで利潤を得ていた。
 よって「持てる者」と「持たざる者」の間で貧富の差が広がった
・IT企業に必要な資本は、人間だけ
 ⇒これがIT革命 (pp.69−73)

◇クリエイティブ・クラス
・これまでの労働者「ホワイトカラー」「ブルーカラー」
・米国社会学者リチャード・フロリダ 「クリエイティブ・クラス」
 =創造的専門性を持った知的労働者 のこと
・米国経済学者レスター・C・サロー
 誰もが共有できる形式知ではなく、誰も盗むことのできない暗黙知こそ、資本
・これからは「専門的な暗黙知を持つクリエイティブ・クラス」を目指すべき
(pp.76−78)

◇自分が何がしたいか
テーマの価値の判断には、次の5つの質問
・それによって誰が幸せになるのか
・なぜいま、その問題なのか、なぜ先人たちはそれができなかったのか
・過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか
・どこに行けばそれができるのか
・実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか
(pp.107−111)

◇思考体力
解釈力と言語化力(pp.131-141)

◇人間が世界を回す
ことに、気づいていない人が、とくに日本人に多い(pp.151−153)

◇幸福の基準は自分で明示的に設定する
・成功と幸福は同じではない
・SNS:他人の生活が可視化される、リア充自慢され、他人が目立つメディア
・自分の幸福が曖昧だと、不満やみじめさがため込まれる(pp.159−161)

◇重要なことのまとめ
・言語化する能力
・論理力
・思考体力
・世界70億人を相手にすること
・経済感覚
・世界は人間が回しているという意識
・専門性(p.178)

◇独善的な利他性
=世界に変化を生み出すような執念を持った人に共通する性質
・独善的=たとえ勘違いだったとしても、自分は忠司と信じていることを疑わず
・利他性=それが他人のためになると信じてあらゆる努力を楽しんで行う
ことができる人(p.222)

以上

落合氏は、あの風貌からして突拍子もない方に見えるが、
そうではない。
コンピュータを駆使しつつ、
人の役に立つことをしようとなさっていることが、よくわかる。
ただ、彼が言いたいのは、ここ最近のITの進化で、
既存の常識の連続線上に現在から未来があるわけではないということ。

落合氏の理路整然とした説明に納得しつつ、
だけど、それを理解できていない人が多いね、と思う。
(私も含めね)
また、では私はどうする?という問いに対する解を、見つけねばならない、な。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

「愉楽にて」の伊藤彰剛氏の挿絵

日経新聞の朝刊、連載小説が、9月より
林真理子氏の「愉楽にて」だ。

林真理子氏の小説は私の好みではないので、どうかな?と思っていたら、
尊敬する某先生(男性ね)が、
あれは男心が的確に描かれているとおっしゃる。

どちらかというと林氏は、ドロドロとした女性の内面を叙述するタイプだと思っていたので、
びっくりして、最近は気にして読むようにしている。

登場人物の設定が、皆、経済的に豊か。
林氏も連載前より、ゴージャスな世界を描きたいとコメントされていたようなので、
きらびやかなモノがたくさん出てくるので、楽しませてもらっている。

さて、小説を読みながら、とても気になるのが挿絵。
「挿絵と題字は、透明感のある水彩画で知られるイラストレーターの伊藤彰剛氏」、
とのこと。
私は絵心が無いので、これまでの人生で、絵画に興味を持ったことは無かった。
しかし、今回は、なんだか染み込むのだ。

特にクラブのママが草履の先を、気になる男性の靴の先にあてるという描写。
この草履の色合いが柔らかいのに、なんともいえない色っぽさを感じさせる。

それ以来、私はこの挿絵を楽しみにしている。
伊藤彰剛氏の個展があれば、行ってみたいものだ。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月22日

小説「ナラタージュ」

やたらに映画の宣伝をしているので、気になるけれども、
映画監督が「世界の中心で愛を叫ぶ」の人で、
(ドラマはよかった)
私にはちょっと、それが今一つの映画ったので、
わざわざ映画鑑賞に行くのはいかがなものかと、
しかし、気になるので、小説を買って読んでみた・・・

目の前にあるタスクからの逃避で・・・

小説は揺れる男心、女心、切ない恋心を描いていて、
なるほどと思えるもの。
若いっていいな。

さて映画は見てないが、映画が悪いのではなく、宣伝コピーが大げさだな。
http://www.narratage.com/
「壊れるくらい あなたが好きでした」
とか
「許されない、けれどすべてをささげた恋」
など、インパクト狙いすぎかなと。
鑑賞者を増やしたいのもわかるけれども、
もう少し優しい優しい表現のほうが、小説の世界観と合うと思います。
posted by H.A at 16:13| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月09日

『開示不正 その実態と防止策』

濱田先生から、出版日(2017.06.26)の一日前にいただきながら、
なんだかんだで読めず、ようやく手に取り拝読。
これは超面白いです。
『開示不正 その実態と防止策』(2017)白桃書房 八田進二編著
http://www.hakutou.co.jp/book/b297880.html

不正の事例検討なので、不正を面白いと表現するのは甚だ不適切ではありますが、
12件の事例を、概要、被害者、問題点、学ぶべきものの4つに統一して叙述されており、
丁寧でわかりやすいのです。

IMG_5198.JPG

ちなみに濱田先生は、
第5章 三井住友建設株式会社・旭化成建材株式会社─マンション杭基礎工事における施行データの不正─
をご担当。

不正はしてはいけないけれど、
慣性の法則や、人不足など諸所の要因で結果起きる。
なんとかしないといけません、ね。


【ご参考 目次は以下】
序章 報告不正とアカウンタビリティー
第I部 開示不正事案
第1章 ミートホープ株式会社─食品表示偽装事案─
第2章 九州電力株式会社─いわゆる「やらせメール問題」─
第3章 株式会社木曽路─銘柄牛偽装提供事案─
第4章 株式会社阪急阪神ホテルズ─メニューの不適切な表示と不祥事対応のまずさ─
第5章 三井住友建設株式会社・旭化成建材株式会社─マンション杭基礎工事における施行データの不正─
第6章 東洋ゴム工業株式会社─当局への報告不正と不正対応の未徹底
第7章 一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)─専門家の驕りがもたらした事件
第8章 三菱自動車工業株式会社─燃費不正問題と企業風土改革の難しさ─
第9章 フォルクスワーゲン(Volkswagen)─排ガス規制偽装事件─
第II部 会計不正事案
第10章 オリンパス株式会社─歴代3社長が関与した粉飾事件─
第11章 大王製紙株式会社─元会長への不当な貸付事件─
第12章 株式会社東芝─経営トップらの組織的関与による不適切会計─
終章 結論
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

だけど

日経新聞の連載小説が、伊集院静氏の経済歴史小説から
林真理子氏の大人の恋愛小説になった。
林真理子氏のエッセイ「ルンルンを買っておうちに帰ろう」などは、
遠い昔のあの頃、よく読んでいたが、
彼女の小説は、実はあまり好みではない。
(すみません、上から目線で)

とか言いながら、一応毎日目を通している。
しかしながら、小説以上にセンセーショナルなのが「私の履歴書」の湯川れいこ氏。
まさに、事実は小説より奇なりだ。

しつけの厳しいお母さまに立てつきながら、なかなか激しい人生を謳歌されているようだ。
多くの作詞もなさっていて、「六本木心中」も湯川氏の作だ。

「六本木心中」の歌詞をあらためて思い返すと、
♪だけど心なんて・・・ から始まる。
「だけど」というのは逆説の接続詞で、何に対して「だけど」なのか?
と行ったことを想定したうえでの「だけど」導入かと思われるが、
その発想も枠を超えている。

そんなこんなで、日経新聞を楽しんでいる。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

『多動力』

『多動力』(2017)堀江貴文著 幻冬舎

要は、つべこべ言わずにDO!ということが書かれている。
そして、後半は自分が自分をマネジメントしろ、と書いてある。

後半は『嫌われる勇気』と趣旨は同じだなと。
人にどう思われるかは、自分のしたいことにとっては、たいしたことではないと。
http://bouchukan.seesaa.net/article/449550117.html

ホリエモンさんは教養の重要性も述べている。
この点を読み飛ばすと、ただ単に自由に好き勝手することと捉えてしまうので、
注意が必要。
基礎知識と全体構造を学び、その上で目前知識を増やせ、との主張は重要と思う。

私としては、
「多動」(いろいろ興味を持って動く)に、
「他動」(他人のために動く)
も加われば百人力と思うのだけど、
ホリエモンさんは、どう考えるかな。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月30日

『捨てられる銀行2 非産運用』

2年前、初めて買った投資信託、二種類。
どちらも利益でず。
買ってすぐ、買値をグンと下回り、今は買値にようよう近づいてきたところ。
これなら、普通に普通預金でよかったなと。

それにしても、両方とも手数料がかかり、特に片方は高かった。
なぜですか?と聞くと、それだけ優秀な人が扱っているのです、とのこと。
信じた私。

しかし、利益出ず。どころか、買値を下回る状態。
悲惨運用です(´;ω;`)ウゥゥ
「優秀な人」よ。恥を知れ!
手数料をとったからには、何が何でも赤を出すな!

と強く感じていたろころ、H先生がオススメとSNSで書かれていたので、
早速読んでみました『捨てられる銀行2 非産運用』(2017)
橋本卓典著 講談社現代新書

同書では、日本の金融機関のシステムのもたれあい状態をビシバシ指摘しています。
特に森金融庁長官の出現が、日本の金融界の意識改革をうながすか否か!
http://www.fsa.go.jp/common/conference/danwa/20170407/01.pdf

それにしても、同書には気になるキーワードがいくつか。
利益相反
製販分離

結局、どのステークホルダーに向いて仕事をしているのか、
自分の仕事の意義は何なのか、
勤務する会社の役割は何なのか、
それを考えることが重要かなと。

あなたは、あなたの企業が作る商品やサービスを自信をもって人に勧めることができますか?
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月03日

『嫌われる勇気』

『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(2013)
岸見 一郎、 古賀 史健 ダイヤモンド社

これは、よかった。
何が良かったかというと、これまでの人生の中でわが心に湧き出た
負の気持ちを整理できたから。

実はこれトイレにおいて、少しずつ読んだ。
読み終わっても、ぱっと開いて、また読む。
ああ、そうだった、と再確認すること、そのつど。

何でも自分次第で、客観的事実ではなく、幸も不幸も自分が決める。
そして、嫌われたくないのは、自分が可愛いから。
でもその気持ちが結局、自分を苦しめる。
なぜなら、私を世界の中心と思い込んでいるから。
そうではない。
「自己肯定ではなく自己受容」
「仕事の本質は他者への貢献」
そして
「人生とは連続する刹那」

最後のフレーズなんて、しびれます。
今を生きよ、ということ。

と、抜き出して書くと、あまたある人生の指南本みたいで、
またかい!と思われるでしょうが、そうではないので、読む価値ありあり。

そういえば、十数年前にある人から、アドラー心理学にハマっていると聞き、
ならばとアドラーの書籍を買ったは良いが、読まず。
こうして出会うことになるとは。

私の場合は「人生とは横着の連続」といったところでしょう。
GWの読書に、オススメ。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月08日

『不平等社会日本―さよなら総中流』

『不平等社会日本―さよなら総中流』(2000) (中公新書) 新書
佐藤 俊樹先生著

以前買ってようやく手にした新書。
佐藤先生は広島出身ということで、一層親近感がわく。

そして、中流という言葉がまやかしで、自分ではどうしようもない親というか
それまでの系譜により、豊かさが決まってくることをデータで示している。

データで示す不平等の現実は、他にも多々書物はあるが、
佐藤先生のお考えが興味深い。
かつ文章がうまい!
(うまいなどと私が言わせていただくのも僭越ではありますが、
 うまい文章は、こういうことかとわかる、学びになるのですよ)

例えば、
−学歴社会や偏差値偏重教育を批判する大学教員や霞ヶ関のキャリア官僚は、
 「学歴社会はおかしい、だから私は大学教員(もしくは官僚)をやめます」とは言わないと(p.115)
 加えて、なぜ辞めないのかと聞く人もいないと(p.116)

そして
−自己の力の及ばない範囲まで「実績」にし、
 その「実績」を既得権するという日本の社会システム(p.121)
そうした日本社会を佐藤先生は、「母なるシステム」と表現されている(p.122)

こうした表現は、なかなか痛快だ。

また、佐藤先生は次のようにも述べている。
−階層社会や世代間移動や選抜システムは、
 努力すれば何とかなる、から、努力しても仕方ない、という空虚を生み出す。
 ならば、いっそ西ヨーロッパ型の階級社会を意識的に目指すということもありだと。
(佐藤先生は、これには反対だと明記されていますが)
−高度成長期以降の日本では、階級社会を反面教師としてきたが、
 あえて階級そのものの是非とは別に、その現実を踏まえたうえで、
 財や地位の公平な配分を考えたほうが、誰にとっても、良い状態になると(p.139)

そして、面白いのはブルーカラーのキャリア向上の新しいシステムとして、
同書発刊当時に流行った「カリスマ美容師」の存在を上げている(p.142−143)

なるほど!
カリスマ美容師は、ブルーカラーの熟練者だ。
となると、我々の社会も職業変革が起こっているわけで、捨てたものではない。
私が研究対象としている資源循環企業も、以前は「ゴミや」さんだった。
今では、立派な産業だ。

最後に佐藤先生は次のように書かれている。
−要するに、成功といえる成功をあげたすべての人が、
 胸を張って、「自分の実績だ」といえるしゃかいでありたいだけだ(p.175)

ということで、面白かったので、ついいろいろ引用してしまった。
他にも知見がいっぱい。
気になる方、お貸しします。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年04月01日

『長女たち』

最近好きな女性作家 篠田節子氏の『長女たち』(2014)新潮社。
まだ文庫化されていないため、近所の図書館で検索したらあったので借りました。

これはね、滅茶苦茶面白いですね。
昨今、流行っている娘と、娘を管理する母親、を扱ったように思うでしょ。
まあ、そうっちゃそうですが、それ以上の深みがある。

長女と言うのは、いまやほとんどの女子が長女ですからね。
同書には3話入っていますが、姉妹の姉としての娘、お兄ちゃんのいる娘、弟のいる娘。
この三人、どれも長女。

内容を書いてしまうとネタバレになるので書きませんが、
超オススメです。
篠田節子さんの小説は、文体がどれも小気味よいので、読んでてリズムがあって好きです。
加えて、周辺情報の収集に抜かりなく、社会的な小説でもあります、どれも。
そして、特にこの書籍は読みごたえありあり。

春ですからね、桃色の風に吹かれながらの読書にどーぞ。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月14日

小説『ファミレス』

重松清著 角川文庫(2016)の小説『ファミレス』、上下巻。

主人公が現在の私と同じような境遇なので読んでみた。
同書を原作に「恋妻家宮本」で映画化もされている。

さすが重松氏、私が最近感じていることを、上手に表現している。
下巻のP.144-145。
要約、引用が以下。

ニッポンのオヤジたちの大半は「足し算の思想」の信奉者である。と。
何かが増えることで幸せを実感する。と。
換言すれば、幸せに生きる=何かを増やす
例えば、年収、ウチの広さ、家族の数

しかし、足し算の思想には終わりが来る。と。

そして、
子どもたちが小さくて無邪気に甘えてきて、平日は仕事、休日は一家団欒という
家族の幸せのピークは人生の早い時期に来る、と。


なかなかシュールです。
今、家族の幸せを満喫している人も変化するし、
してきた人は、私のようにあたふたしている。
ではどうするかを、重松氏は以下のように書いている。
下巻のP.147-145。

足し算の発想をやめろ。と。
料理ならば直火ではなく湯煎、お風呂ならサウナではなくぬるめの半身浴。
つまり、家族の長持ちには、家族の外に半分出る、というのが必要だ。と。


なるほどね。

IMG_3346.JPG
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月19日

『女たちのジハード』

広島の同世代の友人が、東京にある某大学の大学院の受験に来ている。
ホテルは乾燥するから、部屋のバスタブにお湯を張って、ドアを開けて寝たらよろし、
のようなメールを送りながら、
遠い昔、私も立教大学の大学院を受けに来たことを思い出した。

あれは30代の頃で、今より若くて、でも元気が無くて疲れていて、
実力もないのに夢ばかり大きくて、しかし未来に希望が無かった。
受験の前の日は眠れずに、池袋のメトロポリタンホテルで悶々と夜が行き過ぎるのを待った。
仕方がないので友人に電話につきあってもらったな、と。

その頃の私と、冒頭の友人とは同じではないが、何かどーにかしたくて、
という歯がゆい気持ちは共通だろう。

とか思いながら、篠田 節子さん著の『 女たちのジハード』(2000) (集英社文庫) を読んだ。
浅田次郎氏の『鉄道員(ぽっぽや)』と同時直木賞受賞した力作だ。
(審査員はどちらかを選べなかったらしい)

これは主に20代から30代のOLの、混沌を描いたもの。
20代は若くて綺麗だが、一番つらい。
なぜなら選択肢がありすぎるからだ。
私はこれ!と一つに決めてそれにまい進する人は、よい。
そうではなくて、自分に迷い、将来に迷い、
描く未来と現在の自分とのギャップを認めることや、
理想と現実のギャップを飲み込むことは、辛い。

そして仕事だけではなく、女子の場合は描く未来に結婚というものが大きく絡む。
なんだかんだで配偶者によって人生は大きく変わる。
そうすると、恋の駆け引きも20代の頃はいろいろあって、
こちらから電話するとか、誘うとか、待つとか・・・
(あーーー、そうだったな、20代の頃はそうだったなーーー)


タラレバ娘と趣旨は一緒ですが、『女たちのジハード』のほうが現実的。
(偶然出会う、などの連続は日常でないのだから)

これは大人の女子にオススメ。
20代女子は読むと、辛いと思うので。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月12日

「幻の穀物危機」

最近、篠田節子さんの小説が好きで、よく読んでいる。
先般は『マエストロ』 (角川文庫)(2005)を読み、
やはり来世は音楽家になりたいと、意を強くした。

さて、このたび手に取ったのは『家鳴り』 (集英社文庫)(2013)に入っている
「幻の穀物危機」という短編。

東野圭吾氏の「天空の蜂」が原子力発電に対する課題提起だったのに対し、
これは食物供給を当たり前と捉えている都会人への課題提起だ。
3.11のもっと大きな被害が起きた時が描かれている。

東京に何もない、住めないので、
西へと逃げてきた東京人を、畑を耕して営む人たちが冷たくあしらう。
最初は相互扶助の精神で対応するが、そんなことを言ってられないくらいの事態では、
狂気の沙汰になる、のようなことが内容だ。

何というか、何とも切実。
快適な生活は、現在の制度が機能していることで保たれていることを忘れている。

ベランダでハーブでも植えてみようかと思うが、
今の我が家は、なぜか、あっという間に鉢物が枯れる。
食料対策、他人事では無い。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月10日

異次元

昨夜のこと。
金縛りにあった(と思う)。
起きようとして起きた、と思ったら、それはまだ夢の中で、
世界の色が違った。

なんとかこの悪夢とまでは言わないが、夢の中から抜け出ようと、
起きようとするのになかなか目が覚めない。

うーとかあーとか自分ではもがいたと思っているが、なんとか目が覚めて、
とりあえずトイレに行った。
これで悪夢からリセットだ。

それにしても、すでに忘れてしまったが、二層になった面白い夢だった。
少なくとも金縛りにあった世界の私は、今の私とは異なる世界観に住んでいた。
これは小説にするとよい、が、いかんせん覚えていないので、どーしようもない。

そういえば日経新聞の夕刊の小説、川上弘美さんの「森へ行きましょう」は、
最初は楽しく読んでいたのだが、
異次元に住む同一人物の主人公(名前が漢字とカタカナで分類してある)という設定に加え、
時代が今になったり過去になったりで、わからなくなって読むのをやめている。
一挙に本で読むのなら、前に戻って確認できるが、
夕刊にてのチョイ読みには難易度が高い。

もとい。
今夜は金縛りにあいませんように。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月04日

『東京タラレバ娘』

ドラマでやってますが、私は読書で満喫、『東京タラレバ娘』。
講談社 東村アキコ著。
IMG_3023.JPG

漫画です。
結婚を夢見るアラサーの話。

「東京」の枕詞が付くのは、東京の街が、やはり他の地方と異なるからだと思う。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月26日

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」

福士蒼汰君が好きなので映画を観に行こうかと思ったけれど、
いや、ちょっと待て待てと、まずは話をつかんでみようと、
七月 隆文 著の小説「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2014)(宝島社文庫)を読んでみた。

IMG_2882.JPG

なるほど。
これは映画「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」の、可愛らしい版。
http://bouchukan.seesaa.net/article/114038938.html

小説を読んで満足ではあるけれど、Back Numberの曲を背景にした
福士蒼汰君を観たくもあり。
DVDが出たら借りましょう。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月25日

「銀婚式」

先般読んだ篠田 節子著「銀婚式」(2016)(新潮文庫)。
これは面白かった。

女性作家の小説はどろどろして主観的だと思っているので読まないのだが、
これは25年間の紆余曲折が男性目線で描かれていて面白い。

主人公がいろいろあって最終的に地方の山奥の大学に金融を教える教員として就職。
大学の教員というのは、医者同様ドラマなどでも取り上げられやすい。
作者の方がちゃんと取材されたようで、大学の、特に地方の大学の現状が
描かれていて笑ってしまった。
中国からの留学生が日本人の学生よりも意欲的で、
かつ目上の人に対する尊敬心などを有しているというあたり、我が意を得たりと膝を打つほど。

もとい、25年という月日は、外部環境が変化し、それに応じて人間関係も移ろう。
人も成長する、手を離れる、離れたものが戻ってくる。
といったことは25年前にはわからない。

そんなこんなでお勧めの小説。
大人のあなたに、どうぞ。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

再び小説

以前はよく本を読んでいて、当ブログにも読後感をしたためたものだ。
いつの頃からか、読書量が格段に減ってきた。
小説も読まないが、研究に関する本も手にすることが少なくなってきた。

いかん!
移動時間は読書の時間、
特に通勤時間は読書の時間、ということを思い出し、再び本を手に取り始めた。
おしることともに。

IMG_2973.JPG
posted by H.A at 14:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月01日

この世界の片隅に 漫画

自分へのお年玉代わりに買いました。
映画の方が泣けました。
映画を見ていて、ストーリーを知っていたからかもしれません。

IMG_2797.JPG
posted by H.A at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月19日

研究するということ

大学の教員は研究者である。

先般、大先輩の先生の、大学で学ぶということや、
科学や理論とは何か、のような講義を拝聴した。
whatではなくwhyを追及する学問は、当然、問題意識から始まる。

ぼーっとしていて、突然研究できるわけではない。
何かを論じるとか、発見するとか、創り上げるという研究には、
長いストーリーがあると思う。

さて、遅ればせながら「あの日」(講談社 2016)を読んだ。
小保方晴子さんの書籍だ。
研究者としていろいろ考えさせられる重い内容だった。

同書籍が発刊されたときは、単なる彼女のこれまでを述べただけではないか、とか
独白本だなどと言われていたが、
読んでみると、研究をするに際しての問題意識や、その発展の様子が
自身の人生というか研究歴とともに書かれている。
よって、彼女が自らの研究について書くのであれば、必要な内容だと私は思う。

研究機関をいくつかわかり歩いたがために(これは研究者として仕方のないこと)、
研究の所有権が分散し、師匠も複数になり、板挟みになった様子がよくわかる。
もちろん、彼女自身も詰めが甘いところがあったが、
意見を言う場を与えられなかった彼女にとっては、こうして本にするしかなかったのだろう。
まだ若いし、優秀であるようなので、ぜひ海外で研究をなさったらよいと思う。

もしかしたら他人事と思っている私たちも、
いつか「あの日」が来るかもしれない。
その時、どうするか。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月17日

小説『怒り』

この小説を原作にした映画も封切られるようです。
気になったので沖縄出張のお供にと読み始めたら、舞台が東京と千葉と沖縄。

小説内の風景にリアリティがあって、小説も面白いので、臨場感がありました。

って、上下巻で上巻を読み終えたところ。
後半、どうなるのか楽しみです。

映画、観に行こうかな。
posted by H.A at 09:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月19日

『終わった人』

企業勤務していた若かったころ、定年を迎える男性社員の様子から、
様々なことを学んだことを、久しぶりに思い出しました。

『終わった人』(2015)内館牧子著 講談社

超面白い小説、熊谷までの往復で読めました。

内容は、いけいけどんどん で生きたけれど、
50の時に出世コースから外れ、
63でリタイアした男性のこもごも。
仕事の有無、地方と東京、結婚と卒婚といったテーマが盛り込まれています。

俺(もしくは私)には関係ない!と豪語する人ほど、
読むことをお薦めします。

私は常々、人生後半は、いかに引き算しながら、
スマートに生きるかが課題だと思っているのです。
本書では、「品格ある衰退」と表現されます。

品格ある衰退。
メモメモ・・・
posted by H.A at 22:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

『天才』

好好爺となった父は、読み終わった本を、会うたびに譲ってくれる。
少し前にもらった『天才』(2016)石原慎太郎氏著 を、
ようやく、移動時に読んでみた。

内容は、田中角栄氏が自らの過去を吐露する、といった一人称の物語。
字も大きいし、詳細な歴史本ではないので、
ざっくりした表現ではある。

最後の「長いあとがき」で、石原氏が、都知事の時にしたかったことが
いくつかできなかったと。
もしも、田中氏がその時、首相であったならば、相談に行けば「わかった」と
算段してくれてできただろうと。
書いている。

田中角栄氏のことは、よく知らないし、
政治の世界のことは秘密裏に進むこともあるから、
調べてもわからないだろうけれど、
田中角栄氏が、国家100年の計をもって、日本国を創設していったことは、いえると思う。

時代の違いもあるだろうけれど、泥臭い人ほど、大きなことができるのかな。
学歴なんて美しいものに彩られないほうが、よいのかもしれない。

賞与型の奨学金の検討も国としてなされているようだけれど、
そんな皆が大学出身者なんてことよりは、
学歴ではなくて、実力で活躍できる社会の価値観が、もっと強くなれば良いと思う。

なんてことを、私の職業で言うのは不適切だろう。

大学は知識だけでなく、知識を使う理論や、その根底となる哲学を学び、
コミュニケーション力を鍛え、いろいろな経験ができる時間であり、
よい場だ。
だけど、泥臭いものを、美しく仕上げてしまう場でもある。
それもよい。

だけど、泥臭いものにもダイヤモンドのような魅力がある。
今、社会がこじんまりとこざっぱりとする中で、
何か一発投じてくれるのは、泥臭い人なのではないかと思ってしまうのですよ。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月25日

ドラマ「重版出来」が良いので、漫画も読む

四月から新年度が始まり、
肩に力が入っていたのでしょう。
この日曜日は、疲労が噴出。
ぐったりしておりました。

そこで、漫画の「重版出来」松田奈緒子さん著を寝ころびながら熟読。
テレビドラマは、ほぼ原作に忠実に作られているようです。
おまけに出演者も、登場人物によく似ている!
一点違うのは、黒木華ちゃんが柔道していたという設定には線が細くて無理がある、くらいかな。

そんなことは些末なことで、よいのです。
この漫画はよいね。

漫画家は技術力でもつのは10年で、その後は人間力がものをいう、
とか、
給料は会社からではなく読者からもらっている、
とか、
出版社は、どこの出版社でも書くことのできる独り立ちできる作家さんを育てる、
など、
今の私の琴線に触れる言葉が次々と出てくるのですよ!

まだまだ人間がちーさいなー、私は。
IMG_0939.JPG
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月24日

再再度読み おひとりさまの老後

(留学問題で)心が弱ったので(笑)、
こういう時は図書館へ。
勤務先の図書館の社会学系の書棚をうろうろしていて見つけた
『おひとりさまの老後』 上野千鶴子著(2007) 法研。

以前から何度か読んだ本。
2007年に初めて読んでいる。
http://bouchukan.seesaa.net/article/142821883.html
2014年に再読し、何がしら発見している。
http://bouchukan.seesaa.net/article/386642727.html

2016年の現在、再度読みたくなって気づいたのは、
老後は先のことではないということ。
というのも、同書の中の事例は、40代や50代で伴侶と死別したものもある。

そこから人生後半戦である老後をどう捉えるかということだ。

やりがいのある仕事と、それに付随する宝のような仕事仲間と、
なんだかだと仲良くしてくれる仕事とは無関係の友人たちと、
住まいと、そこそこのお金と、そして絶対的な健康があれば、何とかなるということ。
そうしたささやかな当たり前のことが、実は最高に贅沢だ(ありがたいことだ)
が、今の私の言えること。

これがまた10年後、20年後になると、違う気付きがあるのだろう。
IMG_0925.JPG

手堅く生きていきましょ。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月20日

満ち足りた幸福を味わえるオキシトシン

ここ数年、子育てが終わって寂しい、のようなことを周囲の友人知人に漏らしてきた。
その寂しさや切なさの科学的要因が以下の本を読んでわかった!

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(2016)橘 玲著 新潮新書
の第8章、「男女平等が妨げる女性の幸福」。

女性は授乳や、養育、保護などを行うと、オキシトシンというホルモンが分泌される。
オキシトシンはモルヒネ様ホルモンで、その効果により女性は
満ち足りた幸福を味わう、らしい(p.9)。

このホルモンによる快楽度が高いので、
ネズミの実験ではコカインよりはオキシトシンを選択するという結果が出ているらしい。
よって、禁断症状も起きるらしい。
オキシトシンの作用はまだ完全に解明されていないとのこと(p.10)。

つまり、私は子育て中はがんがん出ていたオキシトシンが、
子どもの成長につれて無くなるものだから、
禁断症状を起こしている、ということだ。

なので、通りすがりの人に親切にしたくてたまらないようだ。
http://bouchukan.seesaa.net/article/435623130.html

非常に科学的に解明されて、なんだかすっきりした。
私のこの寂しさは至って理論的で全うな感情だ。
男性には理解できないのも、そりゃそうだ。
ということで、人間の不思議を解明するために、
来世は医学を学ぼう。

来世まで覚えておけるかな。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月19日

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』

『言ってはいけない 残酷すぎる真実』(2016)橘 玲著 新潮新書

発売ほやほやの新書、本書の帯のコピーが面白い。
「遺伝、見た目、教育に関わる『不愉快な現実』」

実際はそこまで不愉快ではなく、専門家のデータに基づく事実を、
わかりやすくまとめてくれている書物。

皆公平だ、とか、がんばれば報われる、などの耳に優しい言葉が
今の社会にドロドロと流れて、ひずみを生じている中、
遺伝とか、見た目とか、育った環境とか、友達などにより人は成り立つから、
優しい言葉は上滑りするよ、といったことを述べていると、私は解釈をした。

流し読みをしたので、再度ゆっくり読んでみようと思う。
(と思って置いてある本が、我が家の書棚に並んでいる・・・)
その前に、読書仲間の同期にまずは読んでもらおう!
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月31日

東京ラブストーリー以外も気になる25年後

東京ラブストーリーの原作者は、柴門ふみ氏。
実は私は彼女の大ファンで、ほとんどのコミックを持っている。
(実は研究室の段ボールの中に入っています)

彼女の漫画の多くはドラマ化されているのだけど、
だから東京ラブストーリーも大人気になったのだけど、
私は東京ラブストーリーよりは「同級生」や「あすなろ白書」のほうが好きなのです。
東京ラブストーリーのリカは、あまりにエキセントリックすぎて、
女子の本性を表しているけれど、少しハードすぎるかなと。

それよりは、「あすなろ白書」の主人公なるみの、
ドロドロした自分の気持ちを持て余してどうしていいかわからない!!!といったものや、
「同級生」の学生時代の恋人と社会人になってからの恋人との間で揺れる、
若さと成長の心がちぎれるような切なさ、を描いたもののほうが、共感できるのですよ。

と、柴門ふみ談義できる人、いたら声かけてください。
ワイン飲みながら、話しましょう。
って、いないわね。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

25年後の東京ラブストーリーに見る四半世紀の変化

帰宅後、ようやく目を通すことができたカンチとリカの25年後。
20代だった二人も50歳。
そして二人の子供はあの頃の自分たちとほぼ同じ年代に、という設定。

25年の年月は、話せば長いし、話しても仕方ないし、とにかく「今」を
いかに生きているか!ということになるのでしょう。

先般、私も高校時代の友人に会ったけれど、
皆、この四半世紀をあえてお互いに話そうともせず、聞こうともせず。
言わなくても、いろいろあったことはわかっている、という暗黙の了解だったのでしょう。

もとい、カンチとリカの25年後。
なんだかね、泣けましたね。

興味があればお貸ししますよ、水着ボディ表紙ですが。
posted by H.A at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

25年後の東京ラブストーリーに至るまで

「東京ラブストーリー」の25年後を描いた特別読切。
「週刊ビッグコミックスピリッツ」9号に掲載されているというので、
仕事帰りの電車で読もうと、わざわざ勤務先の最寄り駅近くのコンビニへ。

通常雑誌を買わない私は、どれだかわからず
雑誌売り場で、つい「ビッグコミックスピリッツ・・・」とつぶやいていたよう。
すると、そこで男性雑誌を立ち読みしていたおじさんが
「これだよ」と教えてくれたそれは、
表紙に若い女子の水着ボディが!!!

「ええ?こんなのではないはずです!」とか言いながら、
ネットで再度雑誌名を確認するも、それらしい。

仕方なく、その水着表紙をレジに持って行ったものの、
「いえ、決して私はこの水着ボディが見たいのではないのです。
 東京ラブストーリーの続編があるというので買ったのです」
と聞かれていないのに、レジの女性に言い訳しながら支払い。

結局、表紙が水着ボディのため、電車の中では読めず。
こんなことなら、家の近くで買えばよかった。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月20日

『人生を面白くする本物の教養』

読書好きな同僚が薦めてくれた新書。
『人生を面白くする本物の教養』出口治明著 (2015)幻冬舎新書

教養が云々と言う書籍は、だいたい眉唾物と言うか
建前を綴ったものが多いので、どうかい、と思いながら読んだら、
通勤時間をあっというまに感じさせてくれる非常に面白い本でした。

特に、公的年金と国債の関係と、消費税の意味、については目から鱗。
まず、公的年金と国債ですが、
国債の発行額が大きく、年金に信用が置けないから自力で金融機関にお金を預ける
と言うのは間違いであると。
なぜならば、公的年金が破綻するのは国債が発行できなくなる時、
国債が発行できないというのは引き受けてである金融機関に買う能力が無い時、
つまり金融機関のお金など消し飛んでいるときである、と。
なるほど!

次に消費税。
税金は公共財や公共サービスの対価である。と説明した上で、
所得税は働いている人だけが対象で、消費税は国民皆が対象となる。
働く人が少なくなった現在、所得税だけではもたない。
サッチャーさんの所得への課税は働くことを罰するに等しいという言も引用され、
なるほど!
わが国で預貯金が高いのは、働いていない高齢者ですからね。

ということで、出口治明さんの本をもう少し読んでみようと思います。
ただ、同書は聞き書きのようで、ライティングは別の方なのですね。
ちょっとそれが残念であり、だから読みやすくもあり・・・
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月07日

『土佐堀川 広岡浅子の生涯』

『土佐堀川 広岡浅子の生涯』(2015)古川智恵子著 潮文庫

朝ドラ「あさが来た」の原作。
帰省した際に、父がくれた本です。
あささんもすごいが、五代友厚さんや渋沢栄一さんもやはり、すごい。
(語彙が貧相で、表現が薄っぺらくて失礼)

今年になって朝ドラがあまり面白くありませんが、
まだお正月明けの助走状態なのでしょう。
今後に期待!
posted by H.A at 08:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月30日

『BT❜63』

職場の大先輩の先生に、長い通勤時間に何をなさっているか尋ねると
やはり読書だとおっしゃった。
(その大先輩先生も、東京から千葉まで通われているので)
往路は研究関係の文献、復路は最近は小説だとのこと。

小説って池井戸潤さんあたりですか?と尋ねると・・・
ご存じなかった。
「夜明け前」とか「アンナカレーニナ」などらしい。
小説にも格があることを、改めて感じた次第。

いえ、池井戸潤さんの小説は面白い。
ほぼ読破したが、これは読んでなかったので、早速上下巻を購入。
『BT❜63』の上下。講談社文庫(2006)。

池井戸さんの真骨頂である銀行モノ、企業再建ものとは少し違い、
重松清さん風な父息子の関係の話し。
なかなかおどろどろしい。

お正月の夜長にどうぞ。

そして私は、「夜明け前」を今日は買いに行こう。
posted by H.A at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月16日

「フォルトゥナの瞳」

「フォルトゥナの瞳」(2015)百田尚樹著 新潮文庫
image.jpeg

百田尚樹さんの小説は好きで、新幹線に乗る前に新刊を見つけたので、
慌てて買って飛び乗った。

うーん。
私にはちょっと合わない。
おまけに夜に読むのには、ふさわしくない。

ただ、近所の川崎駅(一度しか行ったことないけど)とか南武線(乗ったことないけど)などが出てくるので、
親しみは持てる。

仕事仲間に近所の人を見つけたので、その人にこの本は譲ろう。
posted by H.A at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

山川草木悉有仏性(さんせんそうもくしつうぶっしょう)

すでに終了したが、TBSドラマ「ナポレオンの村」が、地味に好きだった。
(麻生久美子がギャーギャーうるさく耳についたが、
 男子から見た女子のイメージは、概してあーなのだろう)

ドラマに感化されて、ナポレオンの名言集の書籍を買おうと探していて、見つけたのが、
同ドラマの原案となったと言う以下の書籍。

ローマ法王に米を食べさせた男』(2015)高野誠鮮著 講談社+α新書

これは面白かった!
小説ではなく実話。
石川県の過疎の村での本当の話。

女子大生を、それもあえてお酒の飲める女子大生を民泊させたり、
(昼間の農作業の後の夕食時も盛り上がるから)
Iターン希望者を厳しく選抜したり、
(お客様ではなく、ちゃんと村の一員となってもらいたいから)
米をPRするためにローマ法王に食べていただけるようお願いし、
(富裕層がお米に興味を持つから)
その上で、あえて売らない戦略をとり、ブランド力を増している。
(買えない富裕層がデパートに問い合わせる、
 するとデパートが村に問い合わせるから)

これだけでもすごいが、同書は、宇宙から、地球からと
テーマが壮大なのだ。
それも現実で。

お勧めです。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月07日

『無頼のススメ』

伊集院静氏のエッセイに間違いなし。
これも面白うござった。
『無頼のススメ』(2015)伊集院静著 新潮新書

無頼とは、心の持ち方を意味するもので、
もちろん無駄につるむな、のような行動も示すけれども、
電車の中でSNSを見るなど、そうしたことも含まれる。
反省反省反省だ。

特に印象に残ったのは「虚しく往くから実ちて帰れる」の語。
無名の僧であった空海と、エリートの最澄の事例。
結局、何も無いから学びにまい進した空海のほうが、
中国で認められ、帰国後も多々活躍する。
最澄は「持っている」というエリート意識が、
結局、その後の成長を邪魔をする。

「虚しく往くから実ちて帰れる」
深い。
「虚しく往ってそのまま帰る」にならないよう、気をつけたいものだ。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月04日

『黒霧島物語』

遠い昔に取材に来てくださったことがご縁で、時折お会いするT氏は、
いまや日経BP社の発行人 という偉い人。
先般お会いした際に、『黒霧島物語』をプレゼントしてくださいました。

日本酒メーカーについて共同研究している私は、興味深く拝読。

そういえば、昔は焼酎といえば麦で、梅干を入れて飲んでいた(父が)。
いつのまにか、焼酎と言えば芋になり、ロックで飲むのが良しとされた。
この変化に霧島酒造が大きく貢献していることを知りましたよ。

既存の中小企業は、市場の乏しい地方のほう、が頑張っているかもしれません。

過去に焼酎で痛い目にあった私は、焼酎は飲まない主義でしたが、
この本を読んで買わないわけにはいかん!と購入。
IMG_5539.JPG

美味しいのですよ。
だから、飲みすぎるのですよ。
気をつけましょう。気をつけます。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月28日

『絶頂の一族』

尊敬する友人に教えてもらった
松田賢弥『絶頂の一族』(2015)講談社文庫。
安倍家、岸家のルーツを探り、彼らの政治的思想を考察する書籍。

もともと山口出身のご家族。
大河ドラマでは長州の皆さんが新しい日本を創ろうと頑張っていますしね。
その他にも個人的な理由もあり、
非常に興味を持って読みました。

その本を読んだ感想としては、今の総理の、
お爺様やお母様の存在感は大きいね、というところでしょうか。
よって、ご本人は辛いな。
奥様は奥様で自然体で存在感あるし。

安倍家、岸家のお爺様、お父様は、地元は山口で生まれて育っている。
が、今の方々は、東京どっぷりでしょうから、
将来的に地元との関係はどうなるのでしょうね。
と、気になっています。



それにしても、本書のタイトル、「絶頂の」が意味深。
一族は、今が最高潮、ということでしょうか。

そうはいえ、国家はサスティナビリティが前提。
我々の子孫が笑って過ごせるような日本で、世界でありますように。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月19日

『大放言』

久しぶりに没頭して読みふけるほどの面白い書物に出会った。
お風呂の中まで持ち込んで読み続けたので、
再度、茹でだこになってしまったが。。。
http://bouchukan.seesaa.net/article/426020819.html

さて、その書物とは百田尚樹著『大放言』(2015)新潮新書。
百田氏はマスコミにいろいろ書かれているが、
彼の小説やツイートなどを読むに、どう考えても変な人ではない。
同書は書き下ろしのエッセイということだったので、
即、とりよせて読んでみた次第。

内容は、
・最近の日本では、言葉尻に過剰に反応しすぎること
・日本人が自虐思想すぎること
・マスコミ報道がフェアでないこと
・その他、疑問に思っていること
などが具体例を挙げながら書かれている。

本日成立した安全保障関連法についても
大局的な見解が述べられている。

彼の意見に賛同するか否かは別として、大人のあなたにおススメの一冊。
私は百田氏、好きですよ。
posted by H.A at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月28日

『夢を売る男』

小説『夢を売る男』(2015)百田尚樹 幻冬舎文庫

小説家志望の人に対する痛烈な批判と現実を描いた面白い小説。
そもそも「本」の売り上げが減少する中で、
出版社もいかに生き残っていくかが問われる。
よって出版社は、自分の書いたものを世に出したいと願う人の心を上手に利用して
市場開拓をするわけだ。

その中で、頻繁にブログを更新するブロガーをターゲットにする場面があった。

「毎日、ブログを更新するような人間は、
 表現したい、訴えたい、自分を理解してほしい、という
 強烈な欲望の持ち主だ。」

爆笑。
おっしゃる通り!!!

そして、当ブログを読んでくださっているあなた。
私の強烈な欲望を受け止めてくださって、感謝感謝。

強烈な欲望で書き続けた当ブログ、
来週の木曜日で10周年となる。
私の欲望、なかなかすごい。
posted by H.A at 23:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月27日

小説「きみはいい子」

久しぶりに小説を読みました。
『きみはいい子』(2014)中脇初枝 ポプラ社
5話の短編もの。
映画化されたことを少し前に新聞で読み、気になっていた本。
うち3編をミックスして映画化されているようです。

私は家族ものに弱い。
特に、こういう母親と子どもの関係は、いろいろ思うところがあり・・・

映画化されていない「うばすて山」は電車の中で号泣ものでした。
汗を拭いたタオルハンカチで、あふれる涙を押さえる、と言った感じで。
人が少なくてよかった。

さあ、帰宅後は家族をハグです。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月06日

積読ではなく、重読(という言葉があるのかな?)

TBSがドラマ「流星ワゴン」を放送するとTVで見かけた。
「とんび」で泣かせた重松清氏の原作だ。

重松清氏の本はほとんど読んでいるから、当然「流星ワゴン」も読んでいるはず。
が、内容が全く思い出せない。
研究室の前の小部屋に「粟屋文庫」と一人で呼んでいる本棚がある。
小説ばかり。
「流星ワゴン」を探すと、文庫本とハードカバーの本が出てきた!!!
読んだと気付かずに、二冊買ったようだ。

それでも内容を覚えていないのだから、
「忘れる力大会」があったら、私は優秀な成績をおさめるだろう。

もとい。
「流星ワゴン」は重松清氏の真骨頂、父と息子の関係が描かれている。
離れること、突き放すこと、でも想うことのような。
加えて重松清氏の小説には必ず、地方と東京が描かれる。
生まれたところ、親のいるところと、
自分が生きていくところは違うのだけれど、
老いていく親は気になるし、故郷にノスタルジアは感じる。
読んでてよくわかるだけに辛いわ〜。

また岡山で生まれ山口で育った重松清氏が描く地方は、
ほとんどが中国地方。
お父さんの言葉が広島弁で、これもまた身近すぎて自分に重なる。

と、辛い辛いと思いながら、きっとこのドラマを見るのだろうな。
泣きながら。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする