2005年09月11日

「熱球」

「熱球」(重松 清著 徳間文庫刊)を午後に読みふけりました。
38歳の男性が主人公。
主人公は仕事で行き詰まり、リセットするために
あまりいい思い出のない故郷に小学五年生の娘と帰郷。
田舎には主人公のお父さんが一人で暮らしており、
そこに合流するという話。
奥さんは大学の先生でアメリカに1年間研究留学中。
という条件下で話が進みます。

高校卒業後に逃げるように出てきた故郷、
忘れたくないけれども、時が過ぎるほどにつらさがほろ苦さとなり、
懐かしさとなる。
青くてまっすぐだった10代とは違って、
背負う人生の重さや責任から、
不本意ながら逃げる術を覚えて、
そうしなければ生きていけない40歳前のいたしかたなさと切なさが
描かれています。

「重松 清いいよ」と友人に昨年薦められて以来、
重松ワールドにはまっています。
恋愛小説では一切ない。
理想を追わない「家族」の真実の姿を書き続けているこの作家の小説は
温かくて、切なくて、どうしようもなくて好きです。
また、どの小説からも、
この作家が奥さんのこと愛していて、大事にしていることが慮られます。
posted by H.A at 18:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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