2021年01月12日

夏天の虹

最近、楽しみに読んでいる小説『みをつくし料理帖』。
 第2巻 「花散らしの雨」
 第4巻 「今朝の春」
 第5巻 「小夜しぐれ」
 第6巻 「心星ひとつ」

江戸時代の食を中心としたほっこりとほのぼの読めるかと思えばそうではなく、
読み進めれば進めるほど、
人間の生きざまを赤裸々に描いている小説『みをつくし料理帖』。

第7巻は「夏天の虹」。

先日七草粥を食べたが、同小説にもその場面がある。
江戸っ子がお粥が嫌い、というのにまずは、びっくり。
粋で鯔背が身上な江戸っ子は、そもそもやわっとしたお粥よりはごはんが好きとのこと。
お粥を食べるならば、甘くして食べるらしい。
その中で、大阪から江戸に来た澪ちゃんが塩味を絶妙に効かせる七草粥を提供して、
お客に受けている。

といった食文化の違いに驚きつつ、澪ちゃんの恋が成就しそうででも別の道を選んでで、
悲涙にもくれる。
想い人は、思っているときが一番幸せなんだなと(´;ω;`)ウゥゥ。

 思えば昨年、競い合いに負けた翌朝、想い人が現れて、
 この橋を渡って帰っていった。
 ―よう、下がり眉
 そう呼ぶ声が聞こえた気がして、澪は視線を巡らせた。(p.78)

想い人と一緒になることよりも、料理の道を選んだことで、
周囲の人が傷つくさまを悲しむ澪に、75歳のりうさんが言う。

 「澪さんの料理には、祈りが籠っているんですよ。
  食べる人の幸せを心から祈る、せつない祈りがね。」
 己の狡さや情けなさばかりが心に突き刺さる拙い恋だった。
 それでも恋は無駄ではなかった(p.153)。

江戸時代は、立場によってできることが決まっており、
武家の嫁になったら料理人としての夢は諦めなければならない。

比較すると、現代のなんと自由なことよ。
あれもこれもと出来るが故に、皆悩む、不平不満が出る。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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