2018年02月13日

『技術の街道をゆく』

読書仲間の同僚が貸してくれた書籍。
畑村 洋太郎著『技術の街道をゆく』(2018)岩波新書

現地、現物、現人の三現を哲学として、
技術系の著者が現場を訪ね歩いた記録のような本。

第一章の鉄は、「鉄は国家なり」を謳った日本が今後どうするかを
問うている。

また第二章の「たたら」という言葉は、以前勤務していたマツダを彷彿させた。
なぜならば、自動車メーカーのマツダは、広島に根付いたたたら技術に由来すると、
当時、私は先輩より学んだからだ。

http://www2.mazda.com/ja/about/dealer/recruit/about/stance.html
「近代まで、国内の鉄の半分以上が広島を中心とする地方で生産されていました。
 「たたら製鉄」と呼ばれた当時の最先端技術を育てた職人たちのこだわりが、
 広島に“モノづくり文化”を根付かせたのです。
 この鉄を利用し、「安芸十り(あきてんり)」と呼ばれるヤスリ・ハリ等の手工業が栄え、
 やがて自動車産業を生みました。
 蓄積された“鉄”技術が、“モノづくり”の基盤となったのです。」

第五章の、技術の系譜をたどるでは、
2004年に起きた六本木ヒルズの回転ドアの死亡事件に触れられていた。
回転ドアの技術はヨーロッパから入ってきたものらしいが、
重くてはよくない、ということっはヨーロッパでは常識だったらしい。
しかし、日本に入ってきたところで、日本の建物にあうように
アルミからステンレスに素材が変わり(重くなり)、
かつ製造元の合弁会社が経営破綻したために、技術者が離散した。
という条件が負に重なり、悲しい結果をもたらすことになったらしい。

と、いろいろ興味深く読み進めることができた。

畑村先生がご自身のご意見を、ご自分の言葉でオリジナルに述べられている。
そうした思考は、実は経営学ではすでに理論化されているものが多い。
すなわち、理論は普遍であり、どの角度から見ても、本質は同じということであろう。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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