いまだに大河ドラマ「江」を観ている。
この大河が、観ていて後味が悪いのは、
現実ばなれしているとか、年齢があわないとか、というよりも、
若輩者が年長者に向かって、
ひどい物言いをするところに要因があると思う。
儒教の精神は、ないんかい。
若輩者が年長者と異なる意見を持つのが悪いのではなく、
主人公が、親の仇(秀吉)とはいえ、大声で罵声をあびせるところに、
人間としての品格が感じられない。
また、先の日曜日の最後に出てきた向井 理が、
実の父親である徳川家康に向かって、
バシバシと皮肉を言い放った個所も、
理、お前もか・・・とがっくし。
その反対に、朝の連ドラ「おひさま」はとても良い。
これでNHKはNHKとしての格を保っていると思う。
厳しい社会背景の中で、家族や周囲を思いやり、
家庭内でも敬語で話すあたりは、お互いに尊重し合っている様子が伺える。
特に私が好きだったのは、主人公の陽子が女学校や師範学校で学ぶあたり。
戦前の学校体制は現在と違うので、比較はできないが、
あの頃は、本当に勉強が好きな人が、勉強をしていたんだなと思うし、
同時に勉強したくても、家の事情でできない人もいたのだろう。
しかし、師範学校は国費で無料というのだから、
勉強が好きで勉強できる人は、救われる道もあったということだ。
こうしたドラマを見ながら、
一昨年の夏に経営哲学学会で行った京都大学を思い出した。
京都大学の百周年時計台記念館には、
歴史展示室 常設展「京都大学の歴史に関する展示」がある。
http://www.kyoto-u.ac.jp/notice/05_event/rekishi_tenji.htm
この展示室が私はとても好きだ。
特にこれ。

あの頃の経営学者が、こうした部屋で書物を読み漁り、
思考をめぐらしていたのかと想像するだけで、崇高な気分になる。

そして,一番頭が柔らかいであろうティーンエイジャーの時に,
学ぶ喜びを見出せなかった自分を恥じるのよ・・・