2011年02月13日

ジーン・ワルツ

電車の中で,小説「ジーン・ワルツ」を読んでいたら,
前に立っていた女性二人が,この映画の話をしていた。
出産シーンで,命の重さを感じ,泣けた,とのこと。

ああ,やはりそういう方面の感想なのね。
(もちろん,命は重いし大切です)

海道 尊氏は何作も医療に関する小説を書いているけど,
どれを読んでも,彼の医療哲学と信念が感じられる。
そこには彼の医療制度に対する怒りと提言が満載だ。

しかし,ドラマや映画に映像化された時点で,
そうした作者の意図とは別に,サスペンス風の医療ドラマになり下がってしまう(ように感じる)。
今回の「ジーン・ワルツ」は見ていないが,
「チーム・バチスタの栄光」や「ジェネラル・ルージュの凱旋」などは,そうだった。

また小説内で主人公のセリフが,巧みな語彙による胸のすくような論理的な主張にも関わらず,
ドラマや映画の同場面では,それらが使われない。
ああ,重ね重ね残念だ。

テレビ局や映画製作会社が厚生労働省に気を使ったのかな,とも思える。
それくらい海道氏の医療制度に対する批判は手厳しい。
彼は,自分の信念を現実社会で行えば,犯罪者になるが,
小説の中でそれを実現しながら,社会に医療制度の不備を訴えている。

この「ジーン・ワルツ」は,もちろん生まれくる命の重さも含意されているが,
それだけではない。
大事な命を生み育て守るための,
不妊治療,少子化問題,医師の負担増などの,現実と制度の乖離が趣旨だと私は読み取った。

電車で乗り合わせた女性の感想は一言だけなので,
映画のことはわからないが,
海道さんの小説は,小説で楽しんだ方がよいな,と感じています。




*勝手な私の感想です。
映画も見ていないのに,すみません。
私の解釈が間違っていれば,ご意見ください。
posted by H.A at 06:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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