今朝新聞に「茨木のり子さん死去」の弔事記事。
詩人。
79歳。
葬儀、告別式は故人の遺志で行わない、喪主はおかない。
のあたりが潔くて、さすが。
昨年が戦後60年でしたから、10代が戦前、戦中、20代が戦後と
最も美しい時期が壮絶な混乱期だったわけです。
「わたしが一番きれいだったとき」という詩に書かれています。
私が一番好きな詩は
「自分の感受性くらい」
茨木のりこ
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
初めてこの詩を読んだ時
なんでも人のせいにしていた私は、最後の「ばかものよ」で電流が走りました。
いや、ホント「ばかもの」でございます・・・( ̄_ ̄|||)
楽しいのも悲しいのも嬉しいのも辛いのも和やかなのも切ないのも穏やかなのも寂しいのも、
すべて自分の心が生み出すものだと
この詩から教えてもらいました。
弔事記事をたまたま見かけたのは、このことを再度思い出せという、
神様からのメッセージだと思うのです。
2006年02月21日
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止めておこうと思っていたのですが、ちょっと時間ができたので、本棚を探して「倚りかからず」をブログの方に載せました。
また寄らせていただきます。
この詩素敵ですね。
「ばかものよ」
このフレーズに感じるものが
ありました。
素敵な詩をありがとうございました。
コメントありがとうございます。お気に入りに入れております。そのうちオフ会でも!
よしひささん
しつこいようですが、私の弟と同じ名前です。ゆっくり飲みましょうねえ。この前も席が離れてましたしね。