2006年01月26日

父の本棚

おとなしくて一生懸命で謙虚で優しくてかわいい学生が相談に来た。

いつも人生の選択の際には、お父様の言うとおりにしてきたが、
今回は自分の言い分を通したことによる躊躇が相談内容だった。
彼女の選択は理にかなったもので、話を聞いていると
お父様も十分に納得できるものであり、実質的には問題ない。

従順で優しい彼女は、お父様に反抗してしまったことで、
大好きだけど反発してしまうお父様に対してなんとなく申しわけなく感じているようだった。

話を聞いているうちに私が泣いてしまった。
(私はカウンセラーを本業にはできないね)
お父様が娘が幸せに暮らせるようにと計らう親心と、
自分のやりたいことを通したかった彼女の自立心と親を思いやる心。
両方が優しくて暖かくて、
どちらも大事で、どちらが間違っているのではない。
だから、「今度帰省したら『お父さん、ありがとね』と言ってあげてね。」と彼女に話した。
お父様はおそらく「おう」ぐらいしか返事しないと思うけど、
きっと嬉しく思っていらっしゃるよ、とも。

私と父も性格が同じだからゆえ、常に敵対状態にあった。
何を言われてもお互い鼻につく。
なんとなく、父を理解できるようになったのは、社会人になってからだった。
働くというのは楽しいことばかりではない。
仕事を継続しているというだけでも、尊敬に値すると感じた。

ある日、何だかイロイロ悩んで、何かよい本はないかと父の本棚を久しぶりに覗いた。
そこに並ぶ本のタイトルを見て、父と私の悩みは同じであることがわかった。

今は父も年老いたし、私も大人になったので、昔のように父が声を荒立てることもない。
何だかさびしい。
posted by H.A at 20:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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