2021年10月03日

経営学とサステナビリティ

日本マネジメント学会@敬愛大学(10月3日(日))は、
統一論題セッション2 経営学とサステナビリティ とし、
若手研究者三名の先生にご登壇いただきました。

統一論題はベテランの先生方が議論されることが多く、
3名とも若手というのは、無謀ながら、せっかくなので企画いたしました。

平屋伸洋氏(明治大学)による物理経済学を用いた会計概念の
 「業績モメンタムとマネジメント」
橋本倫明氏(東京都市大学)による競争優位の継続を検討した
 「ダイナミック・ケイパビリティ経営とサステナビリティ」、
安田直樹氏(立教大学)による両利きの経営を用いた
 「企業行動理論(behavioral theory of the firm)と企業の長期的存続」。

三者のご報告が面白かったのですが、
こきみよい司会と、コメンテータの先生による解説で、
盛り上がったと思います。
アカデミックな統一論題として、記憶に残るディスカッションでした!

統一論題は、企画、依頼、打ち合わせとなかなか段取りがヘヴィーでしたが、
苦労の甲斐のある意義深い二日間でした。
posted by H.A at 19:00| Comment(0) | 研究:経営学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

企業・事業・制度のサステナビリティ

日本マネジメント学会@敬愛大学(10月2日(土))は、
統一論題セッション1 企業・事業・制度のサステナビリティ とし、企業の方にご登壇いただきました。

まずは阿部知和氏(公益財団法人自動車リサイクル促進センター 専務理事)
阿部さんにはよくご講演をお願いするのですが、
今回も「自動車リサイクルの現状と循環型社会を目指した取り組み」とし、
メーカー、政府、リサイクル事業者、消費者・・・による制度としてのサステナブルな社会の
歴史、現状、課題をお話しくださいました。

次に近藤高行氏(会宝産業株式会社 代表取締役社長)
石川県にあるグローバルなビジネスを展開する企業の二代目社長さんです。
「創業時からのSDGsによる経営」として、
リサイクルビジネスの歴史、想い、課題、やりがいなどお話しいただき、
ビジネスを通してのサステナビリティの具現化についてお話くださいました。

そし飯沼一喜氏(株式会社飯沼本家 専務取締役)
江戸時代に創業された千葉県は酒々井にある大きな酒蔵の跡取りさんです。
「SAKE文化創造企業への取り組み」と題し、廃業する酒蔵が多い中で、
酒造方法の効率化、商品の魅力化、地域との密着と
歴史とアクティブ性の両立による企業のサステナビリティについてお話しくださいました。

解説を加えながらの切れの良い大野和巳先生(文京学院大学)の司会、  
サステナブルであることを三者のご講演をまとめながらの當間政義先生(和光大学)のコメント。

総合して非常に有意義な統一論題セッションでした!!!
ありがとうございました。
posted by H.A at 13:00| Comment(0) | 研究:経営学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

統一論題の意図 「資本主義社会とマネジメント−サステナビリティの全体最適と個別最適−」

秋晴れの中で
日本マネジメント学会@敬愛大学(10月2日(土)3日(日))を行っています。
(オンラインです)
http://nippon-management.jp/zenkoku/zenkoku01_1.htm

統一論題テーマは
「資本主義社会とマネジメント−サステナビリティの全体最適と個別最適−」。
このテーマを考えたにはいろいろ理由があるので、
「解題」として学会員の皆さまに書いたものを、以下に転記しておきます!
(自分の覚書に)



2020年からのコロナ禍により我々は、
産業革命以来、成長を目的としてきた経済活動や日常を、今一度立ち止まって熟考する機会を得ました。
在宅勤務などの働き方改革はもちろん、
「ブルシット・ジョブス」なる言葉も生じ、
企業が成長するために必要と信じて構築してきたビジネスモデルについても
再考の時を迎えているといえます。

資本主義制度に疑問を呈し
一時期一世を風靡したマルクス経済学が改めて見直されていることも、その証左でしょう。
しかし、どのような時代や状況でも普遍的かつ最重要とされるのは、
サステナブルであることではないでしょうか。

今回の統一論題テーマである「サステナビリティ」とは、
環境保全等の社会性にのみ限定されるものではなく、
万物一般の持続性を意図しており、
経営学全般にわたってサステナビリティを議論しようとするものです。

というのも、経営戦略、事業戦略やマーケティングは、
企業の存続、すなわちサステナビリティを目的とした利潤創出のために計画されるものであり、
組織制度や人的資源管理、コーポレートガバナンスやファイナンス等もまた、
それを具現化するために必要な学問であるからです。

企業の価値観を示す経営理念やCSRに留意した経営行動が重要とされることも、
サステナブルであろうとすることにほかなりません。
したがってサステナビリティは、
経営学にとってその根幹をなすものとも言えます。

さらに、企業経営は資本主義社会システムの中で遂行されますが、
経済のグローバル化、成熟化、多様化等の促進に伴って新たに生じた「市場の失敗」は、
企業経営の目的がサステナビリティであることを再認識させ、
議論することの必要性を我々に示してくれます。

議論においては、サブテーマで示した全体最適と個別最適への配慮もポイントとなるでしょう。
企業と社会のサステナビリティは同一なのか、差異はあるのか、
企業はサステナビリティにおいてどれくらいの期間を想定し、
どのようにマネジメントすればよいのか等を検討することが期待されます。
万物が諸行無常であるとはいえ、
資本主義社会もまた永遠でないと明言するには躊躇します。

そこで新型コロナウィルスと共に我々の新たな価値観を構築できるこの時期に、
企業経営のサステナビリティのあり方とは何か、
どのような社会を前提に企業経営を進めていくのかを、
経営学の多様な領域よりアプローチしたく、本学会の統一論題を課題提起しました。

初日のセッション1は実務家の3名にお越しいただき、
サステナブルであるための制度設計、ビジネス、事業継承の3つの観点よりご報告いただきます。
基調講演者としての招聘にも値する3名の登壇者のご報告やご議論は、
経営学研究に大きな示唆を与えてくださると思います。
二日目のセッション2では若手の3名の研究者より、
戦略論や組織論、会計学の観点から経営学とサステナビリティについて議論していただきます。
次世代を担う研究者のご報告や質疑により、新たな視点を得ることができるでしょう。

日本マネジメン学会会報No.324より
posted by H.A at 12:01| Comment(0) | 研究:経営学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする