漫画ワンピースの主人公は、ゴムゴムの実を食べて、体がゴムのように伸びるが、
私はきっと、カチコチの実でも食べているのだろう。
鍼による筋肉の緩め、
エステによるリンパ流し、
美容院のヘッドスパによる頭のコリの解消、
漢方による血流アップ、
とどれも三週間に一回行って身体のメンテナンスをして、
この程度だ。
焼け石に水とはまさにこれ。
忙しいやら、エンゲル係数ならぬ健康係数はアップし続けるやらで、
あら、困ったな。
とにかく、肩甲骨が固い。
肩甲骨の関節もボンドでとめてあるかのごとく、
腕を動かすたびに肩が上がる。
どうしたものかと、思い続けてここ数年。
そんなところ、昨日電車で見かけた外国人の男性。
扉の側に立ってリュックを床に置くと、
ストレッチを始めた。
小さな動きなので、なかなか周囲にはわかりづらいが、私は気になってじっと見ていた。
まずは腕を上にあげて上部の手すりを持って、脇を伸ばしてそるのだが、
身体のしなること!
腕があんなに肩より後ろにいけば、気持ち良いだろう。
私は真上にも上がらん。
次に前屈して、スニーカーの足をマッサージ。
腹部が腿にピタっとついて、そのままふくらはぎなどをさすっている。
私のことは、どうでも良いが、前屈はマイナス15センチだ。
彼は起き上がると首を回し、
肩甲骨から肩のあたりをウエーブさせた。
なるほど。
どんな人でも、何かに長けた人は、そのことに費やす時間が他者より格段に長い。
身体の柔らかな人は、読書好きな人がどこでも本を読む持ち歩いて読むように、
どこでもストレッチして、関節を緩め、筋を伸ばしている。
ということで、昨夜よりテレビを見ながら、ストレッチをすることとした。
ついでに反復横跳びもしてみた。
しばらく側から見た滑稽であることは承知の上で、
ささやかな努力をしてみることとする。