読書好きな同僚が薦めてくれた新書。
『人生を面白くする本物の教養』出口治明著 (2015)幻冬舎新書
教養が云々と言う書籍は、だいたい眉唾物と言うか
建前を綴ったものが多いので、どうかい、と思いながら読んだら、
通勤時間をあっというまに感じさせてくれる非常に面白い本でした。
特に、公的年金と国債の関係と、消費税の意味、については目から鱗。
まず、公的年金と国債ですが、
国債の発行額が大きく、年金に信用が置けないから自力で金融機関にお金を預ける
と言うのは間違いであると。
なぜならば、公的年金が破綻するのは国債が発行できなくなる時、
国債が発行できないというのは引き受けてである金融機関に買う能力が無い時、
つまり金融機関のお金など消し飛んでいるときである、と。
なるほど!
次に消費税。
税金は公共財や公共サービスの対価である。と説明した上で、
所得税は働いている人だけが対象で、消費税は国民皆が対象となる。
働く人が少なくなった現在、所得税だけではもたない。
サッチャーさんの所得への課税は働くことを罰するに等しいという言も引用され、
なるほど!
わが国で預貯金が高いのは、働いていない高齢者ですからね。
ということで、出口治明さんの本をもう少し読んでみようと思います。
ただ、同書は聞き書きのようで、ライティングは別の方なのですね。
ちょっとそれが残念であり、だから読みやすくもあり・・・