広島では自宅近所に行きつけのマッサージ屋さんがあって、
オーナーさんも店長さんも私のへたれな体を理解してくれていた。
なので30分、2000円で毎週一回メンテナンスしてもらっていた。
辛いときは45分にしたり、足つぼを加えたりと、
とにかく肩が痛い、腰が悪い、膝が怪しいという私の中年向けのCMのような要望に
的確に効率的に応対してくださった。
あのマッサージ屋さんがあったからこそ、
何とか私は生きてこれたといっても過言ではない。
というようなマッサージ屋さんを探すべく、私は模索している。
今の住いの近くの商店街には、60分2980円のマッサージ屋さんもあり、
二度ほど行ったが、悪くはない。
(すみません、上から的な言い方で。)
もう少し探してみようと、商店街を歩いていると、
肩甲骨がどーの、腰骨がどーの、ダイエットがどーのと書いてある看板発見。
今なら60分6000円のところ5000円だと赤字で書いてある。
リラクゼーションがウリらしい。
その看板をじーっと見ていると、細身の感じのよい男性が中から出てきて、
いろいろ説明してくださる。
私は細い指で奥までぐりぐり押されるのが好きなので、
女性か、細い指の男性に施術してほしいと常々思っている。
彼の風貌なら大丈夫そうだと入店した。
甘かった!!!
上手に私を誘った男性は店の奥に消え、
私の担当は「細身の感じのよい男性」ではなく、
ぽちゃっとしたよくしゃべる男性だった(泣)
ナンパの定石と一緒だと、騙された感一杯の私。
ぽちゃっとしたよくしゃべる彼は、
私が黙っていても返事をしなくてもしゃべり続けた、1時間。
そして55分くらい、ずっとうつぶせの私の腰を上から押し続けた。
何をしているのかと聞いたら、腰骨を動かしているらしい。
肩のあたりを抑えているときは、さすがに疑問に思って
今は何のために、どこを押しているのですか?と尋ねた。
彼曰く、筋肉に沿って押している、とのこと。
「それは私にとっては気持ちよくもないし、痛くもないのだけれど・・・」
と「効いていない」というのを暗に言ったつもりが伝わらなかった。
彼はしゃべり続け1時間過ぎた。
うつぶせのままの55分は腰に負担で、腰が痛い。
おまけに腰も肩も心もリラクッスできていない。
これに私は5000円+消費税を支払うのかと思うと怒りがこみあげて
体全体の毛穴から怒りが噴出しそうだ。
そうはいえ、支払った。むっとしながら。
形のないものにクレームはつけにくい。
消費者庁に相談しても無駄だろう。
入店した際に、施術用のベッドが5,6台ありながら、
誰もお客がいない、という時点で気づかなかった私が愚かだったのか。
スイッチングコストは莫大にかかるということを、
マッサージで痛いほど感じている。
スイッチングコストは一種の学び代なのかもしれない。