2012年10月27日

「お」ではなく「を」

遅ればせながら、
2012年本屋大賞第一位の『舟を編む』(2011)三浦しをん 光文社 を
読んだ。

同書の読後感は、泣きながら読んだとか、淡々と読んだとか人によって異なるので、
内容に興味があった。

読んでみると、内容は辞書を編纂する職場が舞台。
個性あふれる人々が真摯に言葉の意味を言語化していく、という話。
変な殺人や、後味の悪い裏切り等も無く、穏やかに読み進めることのできる本。


ただ、一文、どうしても納得のいかない一文というか一語があった。

ファッション雑誌から辞書編纂の部署に転属し、最初は抵抗感のあった女性「岸辺」が、
言葉の持つ力に魅かれている、ということを書いているあたり。
「岸辺は(中略)言葉という新しい武器を、真実の意味で手に入れようとしているところだった。」(p.203)

ここで気になるのは「武器」という言葉。
武器には手段とか方法などの意味もあるけれど、
第一印象は相手を傷つける道具の意味が強いのではないかな。
よって武器という言葉は、
岸辺が手に入れようとしている言葉の力の一部をあらわすだけになるのではないか。

と私は、しをんさんに尋ね、真意を教えていただきたいなあ。


では、私ならば武器の代わりにどういうどういう表現にするかな。
ここのところずっと悩んでいるが、ここは素直に、
「言葉の真実の力を、確実に手に入れようとしているところだった。」
でどうでしょうね。
posted by H.A at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする