2010年12月07日

『経済古典は役に立つ』は役に立つ

『経済古典は役に立つ』(2010)光文社新書 竹中平蔵著

メッツ駒込朝食と新書.jpg
(先日の出張の朝食と共に)

著者が,「あの人は〇〇派の人だ」とレッテル貼りに終始する一般的な社会風潮に疑問を持ち,
アダム・スミスはじめ経済古典を書いた研究者たちが,
なぜそういう主張をしたかの理由を
研究者の人生や考え方,理論と共に説いた本。
研究者たちは,当時の社会問題を解決するために理論を主張した,ということを述べている。

よって,その時の理論をそのまま,現在に当てはめるということは不適切である,
しかし,賢い人は,その理論を適宜応用できる,ということを竹中先生は書かれている。

この本は経済学的に深いのに,非常に読みやすいし,わかりやすいし,面白い。
各人の研究を経済学研究の全体の流れで把握した上で、
各人の主張を述べているからだ。

取り上げられている研究者は,
アダム・スミス,
マルサス,
リカード,
マルクス,
ケインズ,
シュムペーター,
ハイエク,
(私の好きな)フリードマン,
ブキャナン。


お勧めです。
亀川先生がよく引用なさるシュムペーターが気になりながら,きちんと学んでいなかったことを後悔。
シュムペーター,勉強してみよう!



ここで,竹中先生の「おわりに」の文章を引用しておきます。

 経済運営の基本は,スミスの指摘のように,やはり市場の“見えざる手”を活用することである。
 これなくして,経済運営はありえない。
 同時に,ときにケインズの言うような大胆な政府介入が必要な場合がある。
 これをためらってはならない。
 そしてその背後で,つねにイノベーションが必要であり,企業も一国経済も「成功のゆえに失敗する」という教訓を忘れてはならない。
 まさにシュムペーターの指摘である。
 また,あくまで自由を基本に,政府が肥大化するリスクを避けるための絶えざる工夫が必要だ。  ハイエク,フリードマン,ブキャナンの警告である(p.222)。
 


新大和朝食と新書.jpg
(無茶苦茶空腹で食べたきつねそばと共に)
posted by H.A at 18:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 研究:経営学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする