今日は昨日キーワードとしてあげた「分別(ふんべつ)」について。
アメリカの救急医療ドラマ「
ER」で、
若い医者の結婚式の場面があった。
キャッキャッと喜ぶ新郎新婦とは少し離れたバーカウンターに、
同僚の大人の医者、男女二人(この二人は、それなりに男女関係があります)。
若さゆえの無防備なはしゃぎっぷりを、温かく見守りながら、
大人の二人が、
「新婚夫婦の幸せを祈って」
「(我々の)大人の分別に」
と乾杯をしたのです。
― 大人の「分別」ってかっちょいい! ―一方、車寅次郎さん。
1983年の映画「男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎」では、
竹下景子扮する寺の娘役と恋仲になった寅さん。
寺の跡継ぎ娘と添い遂げるためには、寅さんは坊主にならねばならない。
しかし、フーテンの寅さんに、そんな仏教の修行なんてできっこない。
源公が「愛があれば、なんとかなるんじゃないの?」と言ったのに対し、
寅さんが、
「愛があれば、なんとかなるっていうのは、若いときのもんだ。
俺みたいな大人は分別があるから、
愛だけでなんとなるとは、いえねえ。」
― 大人の「分別」ってかっちょいい! ―ちなみに、「分別」とは手元の電子辞書で調べますと、
「物事の是非・道理を判断すること。わきまえること。また、そのような能力」だそうな。
英語では、discretion,prudence,sennse,judement・・・あたりでしょうか。
にしても、世の中には、いい年をして、今だ夢見る夢子ちゃん、夢男くんであったり、
時の流れを把握できずに、甘子ちゃん、甘男くんであったりする大人もいて、
恥を知れっ!と、恫喝したい場面もありますが、
分別あるあたくしは、貝のように口をとざしている次第でございます。
ただ、この分別、気をつけないと、昨日の「イヤ汁」ではないが、臭う。
いわゆる、「分別くさい」っちゅうことです。
「分別」・・・「あきらめる」というのとは意を異にするようですが、なかなか難しいですねえ。